公共政策大学院から、公務員ではなく富士通総研を選んだ。その理由とそこまでの揺れる想い。
【内定者の就職体験記 特集】富士通グループ合同採用の2021年卒内定者(入社者)が、就職活動の体験談やノウハウを語る連載です。第7回は、公共政策大学院を修了し、富士通総研に入社した高倉さんに書いてもらいました。インターンやフィールドワークの中で、どのように就職観が形成されたのか。詳しく丁寧につづってくれました。
こんにちは。この4月より株式会社富士通総研に入社いたしました、2021年卒の高倉と申します。
▼富士通総研
今年の3月に、東北大学公共政策大学院を修了しました。M1では、地域経済を活性化するために、日本の農林水産物の輸出拡大や、農山漁村への外国人観光客を誘致する政策を研究していました(当時はまだ、コロナ禍ではなかったので)。
そして、M2の研究テーマは、人口減少下で受け入れが加速していく在留外国人でした。技能実習制度などの現状の問題点を踏まえながら、将来における望ましい受け入れ手法と社会統合の在り方について研究していました。
こうした経験を活かしながら、今後は「公共コンサルタント」として、主に行政機関(国、自治体)の抱える課題解決の支援に従事する予定です。
なぜ、公共コンサルタント?を、紹介します
今回、この記事を執筆する機会をいただいた際、何について書こうか非常に悩みました。色々なことを考えた結果、なぜ私が公共コンサルタント・シンクタンクを志望し、その中でも富士通総研に入社を決めたのか、その経緯について紹介することにしました。
この「#REAL」を読まれている皆さんは、必ずしもこの業界を志望されている方というわけではないと思います。しかし、私の就職活動の足跡の中に、就職活動の進め方一般についての良い点・悪い点も垣間見えるので、どのような方にとっても参考になると考えました。また、公共コンサルタントの仕事の魅力を紹介することで、皆さんがこの業界を選択肢に入れていただくことにも繋がるのではないかと思いました。
東京都庁でのインターンと、行政機関でのフィールドワークが就職観をつくった
就職活動について考える中で、もともとは漠然と公共政策に携わる仕事に就きたいと思っていました。これは、政策によって社会の仕組みそのものに影響を与えることが面白そうだと思ったことが理由です。そして、私も当初はご多分にもれず公務員志望でした。
しかし、この考えは以下の二つの経験を機に変化しました。
①東京都庁のインターンシップ
一つ目は、東京都庁のインターンシップに参加したことです。品川区にある東京都第二建設事務所に配属され、管轄地域内の放置自転車に駐禁ステッカーを貼ったり、道路をアスファルトで舗装したり、河川の見回りを行ったりしました。また、職員の方が公園を占拠しているホームレスと対峙し、一触即発の状況になるという衝撃的な光景も目にしました。時には危険を伴いながらも、こうした仕事に日々懸命に従事する自治体職員に対して尊敬の念を抱きました。
一方で、「これは自分がやりたいことではないのではないか」という疑念も同時に抱くことになりました。というのも、行政機関である以上、基本的にその中心的な役割は政策の「執行」になります。私が望んでいた「立案」はあくまで部分的であることに気づき、別の場所で自らの発想や専門性を活かして、創造的に社会を変えていきたいと感じたのです。
②大学院でのフィールドワーク
二つ目は、大学院の研究の中で、行政機関の政策立案や執行の在り方に、様々な矛盾や限界を感じたことです。
例えば、公益のためではなく、利益団体との兼ね合いなど、政治的な都合が目的となった政策を目にすることが多々ありました。また、様々な地域にフィールドワークに赴く中で、国が政策を推し進めるために、地域に対して補助金を交付しているのに対し、地域がその実情にそぐわない政策を、補助金を獲得するためだけに推し進めているケースも見られました。
公務員になれば、否が応でもそうした政策に携わらなければならないこともある。自らの良心や信念に背きながら働き続けることが、精神衛生上難しいのではないかと感じました。
等身大で活躍したいと、富士通総研へ
以上のような悩みを抱えていたところ、見つけたのが公共コンサルタント・シンクタンクでした。この業界であれば、創造的に公共政策に携わることに専念できると思いましたし、自分の考え方に沿わない政策に対して、少なくとも関与しないという選択ができる。そして、上手く行けば社会に変化を促すことができるのではないかと思いました。
そんな中、合同説明会で富士通総研のブースを見つけました。そこで当時の採用担当の方に私の考えを伝えたところ、納得してくださり、「君はコンサルタントなんじゃない?」と仰っていただきました。この一言をきっかけに、富士通総研への入社を考え始めたのです。
その後、富士通総研のインターンシップに参加しました。他にも様々な同業他社の説明会やインターンシップに参加していましたが、富士通総研の社員の方々の人柄や、会社の雰囲気が最も私の肌に合っていると感じました。ここでなら等身大の自分が活躍できるのではないかと思い、「絶対に富士通総研に入ろう」と決意しました。
面接では、厳しい質問が繰り返されることもありましたが、私の想いや考えを伝えようと必死で食らいついたところ、無事内定をいただくことができました。選考の途中で、人事部長の方に「自分の考えをしっかりと持っているので、高倉さんはまさにうちの社員だと思う」と仰っていただいたことを今でも覚えています。
やりたい仕事に就くための3つのアドバイス
私の就職活動を振り返って、僭越ながら就活生に向けて三点ほどアドバイスをしたいと思います。
一つ目に、特に就職活動の初期段階では、視野狭窄にならず、できる限り様々な選択肢を検討すると良いのではないでしょうか。私の場合は、公務員と比較することでこの業界を志望するに至りましたし、同業他社と比較することで富士通総研を志望するに至りました。自分の本当にやりたいことは、他と比較することで明確になることが多いと思います。
二つ目に、様々な経験を積むことが大切なのではないでしょうか。私の場合は、行政機関のインターンシップや、大学院での研究などを通じて、自分のやりたいことが少しずつ浮き彫りになりました。もっとも、既に就活を間近に控えた人にとっては難しいでしょうから、これまでの学生生活の経験を丁寧に振り返り分析することが重要だと思います。
三つ目に、やりたいことだけではなく、「やりたくないこと」について考えてみることも重要だと思います。私は上記の体験のように、やりたくないことを見つけ、その反対を考えたことが、やりたいことの発見に繋がりました。これはレアケースとしても、やりたくないことを選択肢から消していくだけで、やりたいことの候補はかなり絞られてくるのではないでしょうか。
それでは、皆さんの就職活動が納得のいくものになるよう祈念しております。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。