採用チーム シニア座談会【後編】 学生の長所だけではなく、短所に向き合う。人事も弱みを見せる
前編に引き続き、富士通グループ合同採用チームのシニアメンバー4名による座談会の後編をお送りします。今回は採用活動や面接で心掛けていること、そして学生の未来に対する想いを語ってくれました。
<プロフィール>
後田 政司
大学でアメフトに打ち込み、社会人チームにも所属していた。富士通特機システムで人事労務を担当した後、富士通グループ合同採用チームにジョイン。
穂刈 顕一
2020年4月にキャリア入社。前職はIT業界の大手SIerに15年勤務して、人事を務めていた。盲導犬のテミス(ラブラドールレトリバーでマイペースな女の子)と一緒に住んでいる
斉藤 一馬
教育大学の情報科を卒業後、富士通グループにSEとして入社。システム開発を担当した後、人事へと配置転換。大阪在住。
小島 行博
採用チームのマネージャー。仕事とアメフトが両立できる会社ということで、富士通グループに入社。広報、教育、営業推進、子会社の管理部門の立ち上げなどを経験。
人事の自分よりも、現場のリクルーターと学生との接点を増やしている
-採用の仕事の中で、皆さんが心掛けていることは何ですか?
穂刈
おそらくこのメンバーの中では、僕が一番採用に向いていないと思うんですよ(笑)。だから、現場の先輩社員に協力を仰いでいます。人事でやれることの限界がありますし、富士通の現場社員は協力的な人が多いので、あえて自分が積極的には前に出ていません。
斉藤
どうやって先輩社員と連携しているの?
穂刈
たとえば、富士通ラーニングメディアの現場社員とは、毎週1回、定例ミーティングを設けています。そこで学生の動向を伝えたり、採用の戦略をディスカッションしたり。
小島
確かに、部署を超えたチームワークも大事だよね。それぞれの強みを活かして情報提供するのは、学生にとってもメリットは大きいと思う。
後田
そうですね。学生への情報提供という観点では、僕は、ずっと労務を担当していた強みを活かして、学生の皆さんに制度の隅から隅までを説明することを心掛けています。グループ会社での異動が可能な「グループワイドポスティング制度」や、勤務時間にコアタイムを設けていない「フリーフレックス制度」など、キャリアや働き方の選択肢が富士通グループには豊富に用意されている。これらのメリットを詳しく説明しています。
面接時は、配属先の社員10名とのコミュニケーションを想像している
-面接ではどのようなことを心掛けていますか?
斉藤
僕は、面接を始めたころは、「自分が一緒に働きたいかどうか」という基準で見ていました。ただその基準だと、上司の評価とずれることも多く、主観だけではダメだと気付いた。それ以降は、入社後の現場で働いているシーンを、できる限り鮮明にイメージするようにしています。事前に僕が現場の生の空気に触れた上で、その学生が入社して困らないか、もしくはその学生の色がグンと出るか。かなりピンポイントに想像していますね。
穂刈
僕もかなり近い。1次面接で本人のやりたいことを必ず聞いて、その志向が現場とマッチしているかは考えますね。本人の志向と配属先のカルチャーや仕事がマッチしないと、退職のリスクも高まるんですよ。前職でその因果関係を研究したことがあるんですけど。
後田
でも、マッチするかどうかは、どうやって判断しているの?そこは僕も知りたい。
穂刈
一番気にしているのは、学生とリクルーターと話しているときの雰囲気。なかなか言葉では言い表せないけど、一人じゃなくて、複数人、いや、10人くらいでコミュニケーションしている際に、その人の持ち味が出せるかどうかをイメージします。
小島
「チームワークの富士通」って言ってたけど、まさにその観点だね。
穂刈
そうですね。幾つかのグループ会社の中から、フラットにその学生に合う職場を紹介しています。本人が「その会社への就職を希望しない」と言えば、きちんと説明してそれで辞退するのであれば仕方がないかなと。
学生が持っている「素」の部分を、きちんと見てあげたい
斉藤
やっぱり本人の「素」が大事だよね。そこは揺るがないと思う。
後田
だから、僕は、学生の「短所」を面接で語ってもらっています。短所を自分の言葉で話せる人は、本当に成長できると思っているから。深掘りして、引き出して、そこで語ってくれる弱点には、本人の素が見えますし、共感できることも多い。
小島
短所には人間性が出る。その語り方も含めて。
後田
仕事って、後から覚えればできることって、いっぱいあるじゃないですか。ただ、人間的な部分は、人に教えられてできるものでもない。この変えられない部分を起点に、マッチングを図るのが大切だと思っています。
小島
短所でなくてもいいんだけど、学生が持っている本質的な部分をきちんと見てあげたい。だから、話しやすい雰囲気をつくるし、こっちも自分を出す。弱みも見せる。そういったプロセスを経て、お互いに本音で話ができるのが一番だと思う。なかなか本音を見せようとしない学生もいますが、結局、いい仕事は本人の素が出ていないとできない。もったいないと感じることもある。
「志望動機は?」など、定型的な質問は聞きません
斉藤
確かに、話しやすい雰囲気をつくるために、聞く側のスタンスも大事ですよね。
小島
そうそう。できる限り、相手の言葉に共感しようとはしている。頑張ってきたことや、大変だったことを話してくれる中で、「そうだよね」「そういうのって大変だよね」と返していますね。
斉藤
面接で語ることって、キレイな文章でカッチリと用意をするものでもないですよね。用意すればするほど、その人が見えなくなる。取り繕うことはお互いに不幸を呼ぶので、やめておいた方がいいと思います。事前にいろいろな質問を想定して、自分の中の考えを整理しておくのは大歓迎ですが、必要以上に自分を良く見せようとか、相手に合わせた答えを用意していこう、というのは、お互いにとってマイナスですよね。
穂刈
取り繕って内定が出たとしても、配属後すぐにメッキが剥がれて、おそらく退職のリスクは高まるよね。
小島
ウチらもあまり定型的な質問を聞かないもんね。志望動機は?とは聞かない。エントリーシートに書いてくれているものは、ひと通り目を通しますけれど、そこに沿った質問はあまりしない。その場での本人の素に触れることが、事前に用意されているものよりもずっと大切なので。
後田
前編でもお伝えしましたが、あらゆる「素」をそのまま活かせるのが富士通グループの強みだと思っています。入社後にいろいろなキャリアを選べる制度が充実しているし。とにかく、自分らしさを全面に語ってくれれば、それに合わせた会社や仕事を採用チームからも提案させてもらいます。ぜひ、ここで社会人の一歩を踏み出して欲しいです!